顔面けいれんになった私が学んだ「不幸」との上手な付き合い方
今までの私は「不幸」が起こると不満しか口にしていなかった。

「人生には必要なことだけが起こる」という学びです。2011年に片側顔面痙攣を発症して、それからどんどん症状がひどくなっていったときに私が感じていたのは、「どうして私がこんな目に遭わなくてはならないの?」という、怒りとも落胆とも恨みともいえるような感情でした。何も困らずに、普通に日常を送っている人もたくさんいるのに、どうして私が……。
症状の正体がわからないときは、何が起こっているのか不安でした。症状が特定されて治療を始めたときは、治るかどうか不安でした。治療しても症状が進むときは、お金に対する不安が出てきました。
心からの美しい笑顔で笑う人を見たときは、もう自分はそんな風に笑うこともできないと、心底落ち込みました。何も悩みなどなさそうに、幸せそうにしている人たちを恨みました。なるべく人目につきたくないのに、無遠慮に話しかけてくる人に怒りを覚えました。話題の多いがん治療は、日進月歩で進んでいくのに、片側顔面痙攣の治療には力を入れない(ように見える)医療従事者に怒りを覚えました。
そして、鍼灸治療やボトックス注射にかかる決して安いとはいえない費用。これに一生縛り付けられるのかと思うと、心の底からうんざりしました。しかしこれらのことは全部感じる必要があったのだと、今では思います。必要があったから、この症状が起こったのだろうと。
これが起こらなければ、私は真剣に自分と向き合うことを避けて生きていて、なんとなく幸せで、だけど不満を垂れ流しながら生きていたかもしれません。このことがあったからこそ、私は真剣に自分の人生に向き合うきっかけをつかめたのだと思います。この湧き上がってくる不安はどこから? なぜ怒りを感じるの? 落胆するのはどうして? これらの答えはすべて、「それが問題だ!」と思う自分の心にあるのだということ。
人生には必要なことだけが起こるということ。

片側顔面痙攣にならなかったら、ちゃんと向き合うことはできませんでした。自分を不幸だと嘆き、不幸にどっぷりつかり、世間が悪いとか、社会が悪いとか、政治が悪いとか、不幸の原因を外側に求め、愚痴を言っておしまい。そんな人生を過ごして終わっていたかもしれません。だからこの5年間は、私にとって本当に意味のある5年間で、そして必要な時間だったのです。
この、「不幸」と思える出来事に遭遇したときは、このことが自分の考え方を大きく変えるなんて思ってもいませんでした。そのときは、「まじかよ! さいてー!!!」としか思いませんでした。言葉は悪いのですが、本当にこんな感じの感想しかなかったのです。
しかし振り返ってみると、あの出来事があったから、こうやって記事を書くことができているのです。あの出来事によって自分の考え方を見直し、たくさんのギフトをいただくことができたのです。
振り返ってみると、そのときは「さいてー!」としか思えない出来事も、後になるとギフトだったと気付くということばかり。何か落ち込むようなことがあっても、そのときはギフトだとまでは思えなくても、冷静に「この出来事は、何かの前触れなのだろう」と考えることができるようになりました。人生には必要なことしか起こらず、そしてそれは何かしら意味があって起こるということを、信じられるようになりました。これがわかったことは、この5年間で受け取った大きなギフトです。
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